ぶらり旅  2006年 1月 8日 伊勢街道 T 日永追分から津・江戸橋

 
 2006年初歩きは身近な伊勢街道を歩く。東海道との追分、日永から伊勢内宮まで約70キロの街道をゆく。
   参考地図は「みえの歴史街道・ウオーキングマップ ダウンロード版」を使用する。
 
 まずは追分の鳥居をくぐり伊勢街道(県道103号)へ。国道1号線をくぐった少し先の大治田バス停角に「蟹筑山
 蜜蔵院」を案内する道標4基がある。そこからしばらくで道は二手に分かれる。右が旧道だが先の土手で遮られて
 入るのが見える。土手道で直進する迂回路と合流する。内部川を河原田橋で渡り、右に廻り込んで旧道に戻ると
 河原田に入る。少し先の角に距離標が建つ。「津市六里三十二町以下」などと刻まれている。集落には伊勢街道
 今宿の札がかかる。
 

  
      日永追分 鳥居           道標4基             距離標           河原田で 


 県道を斜めに横断し、JR関西線の踏切を越えると鈴鹿市に入る。
 線路に沿って行き、県道の下を小さなトンネルでくぐると鈴鹿川の堤防に出る。先に道はない。迂回路の堤防を
 少し行き高岡橋を渡る。さすがに川面の風は冷たく思わずウインドブレーカーの襟を立てる。
 高岡に入る手前の堤防に珍しい階段のついた常夜灯がある。左に下りて短い集落を抜けると何もない田んぼ道を
 行く。田園風景を楽しみながら十宮、須賀町と行き、「神戸の見付」をみて神戸(かんべ)に入る。
 連子格子の家並みが残る神戸集落を通り、六郷川にかかる大橋を渡る。かって高札場のあった「札の辻」あたり
 から道は小刻みに曲りくねる。「明治天皇行在所跡」碑が建つ真宗高田派別院や、見事な松のある淨願寺、
 常夜灯などを見ながら旧道を抜けて行く。
 
    
   大神宮常夜灯     神戸の見付跡       連子格子の家      大橋                  札の辻
 
 伊勢鉄道鈴鹿駅傍の信号で県道を横断し、斜め左の道に入り肥田町から北玉垣町へ。このあたりは「山ノ神」
 が多く祀られている。鳥居・燈籠に山ノ神が祀られた一対がいたるところに見られる。
 途中の曲がり角二箇所に道標があり、それぞれ「右 さんぐう道」、「左 さんぐう道」とあり、曲る方向がわかる。
 玉垣団地の傍からフジクラ鈴鹿工場を通り抜けると北江島町に入る。街道の面影を残す江島本町で休憩を兼ねて
 昼食にする。追分からちょうど3時間だ。
 江島本町から白子本町へ。東町児童公園に「旧河芸郡役所跡」の碑がある。白子港を左にみて川を渡る。
 すぐ先のカギ型に曲る道の角に「さんぐう道」「神戸四日市道」と刻まれた指標がある。少し先で寺家に入る。

   
           北玉垣町の道標二基             江島本町の旧道      白子二丁目角の道標と旧道
 
 釜屋川を渡ると道は二手に分かれる。直進して海側を通る道と、右折して安産の寺として知られる「子安観音寺」
 前を通る道がある。子安観音はぜひ見ておきたかったので道を右折し立ち寄る。
 このあたりは道が狭く入り組んでいてどこも街道にみえるが。周囲は水路で囲まれておりまるでお城のようである。
 寺家三丁目には3基の道標がある。子安観音から少し先のカギ型の辻に2基と、堀切川に架かる蓬莱橋の袂に
 1基がある。旧道は堀切川の左岸を行き、国道23号線で川を渡ると右岸を少し行く。左に折れて磯山に入る。

   
            子安観音寺楼門      本堂と銅燈籠                   道標三基 
 
 何もないが静かな磯山の集落を抜けると、旧道は国道23号に合流する。中ノ川を渡りしばらく国道を行く。
 最初の信号で国道を横断し、近鉄名古屋線の踏切を越えると巡礼道との追分になる。
 角に甕釜冠地蔵堂(かめかまかむりじぞうどう)がある。屋根上に瓦製の竃を置きその上に水甕が伏せてある。
 理由は不明だそうだが、参宮する人たちに茶を接待した休憩所だそうである。千里(ちさと)を通り、千里駅前で
 近鉄線と国道を渡り左折、上野の集落を行く。虫籠窓・連子格子の家を見るとすぐに弘法井戸がある。
 この辺りが昔の宿場町の中心部であったそうだ。河芸町役場の前で国道を渡り中瀬に入る。

 
    
      甕釜冠地蔵堂           虫籠窓・連子格子の家             弘法井戸
 
 中瀬から道は再び国道に合流し、しばらく国道を歩く。途中、右斜めに延びる道を見たら国道下をトンネルでくぐり
 旧道に戻る。栗真小川町から、栗真中山町を通り過ぎると広い道に突き当たる。ここから道は不明だ。
 地図の迂回路をトレースできずかなり迷う。最後はコンパスを使ってようやく街道に戻る。
 あとで調べてみたら単純な方向ミスと勘違いだったが、かなり判り難い場所である。この先でまた国道に遮られ、
 目の前に見える街道には少し戻った信号を横断して行くことになる。街道に戻ると雨が降り始めた。焦る。
 時間も遠慮なく過ぎていく。少し行くと先に出会った巡礼道との再会である。栗真町屋町で巡礼道と合流する。
 三叉路には常夜灯、道標が建ち、名残松?も残っている。振り返ると左の伊勢街道と右への巡礼道が分岐する
 さまは、まさに追分そのものでいかにも街道らしい雰囲気がある。ここからすぐに国道23号に入る。
 三重大学病院をすぎて道を右にとると江戸橋である。江戸に向う藩主の見送りもここまでとのいわれで名付けられ
 たそうだが、木造造りの橋はなかなか趣がある。
 渡ってすぐ先に、右から来る伊勢別街道との追分に出る。右の角に常夜灯と高田本山道の道標が建つ。
  
     
           常夜灯と道標         振返って見る追分        江戸橋           伊勢別街道追分
 
 伊勢街道は追分を左にとり津駅方面・栄町に向う。今日は時間切れのため道を直進し、近鉄「江戸橋」駅に行く。
 ゆっくり歩くつもりが久しぶりでつい先を急いでしまった。少し頑張りすぎたかな?。7時間10分の初歩き。
 残り伊勢内宮までの40キロほどは次回に歩くことにする。

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