ぶらり旅  2005年 11月28日 東海道 亀山宿から関宿
                2006年  1月29日       関宿から鈴鹿峠            

  東海道を歩いたなかで亀山宿から鈴鹿峠の部分はブログには書いたがHPにUPしてなかった。
  05年11月・06年1月に歩いた短い区間をあらためてHP用に手直し、写真も一部を新しくして東海道
  亀山宿から鈴鹿峠を追加しました。
 2005年 11月28日 東海道 亀山宿から関宿

  前回亀山宿の途中で終わった東海道の続きを歩く。
  亀山駅から西町に戻り再開する。 道は西へ、西へと延び、街道の面影が残る町中を通りすぎる。
  京口坂橋を渡ると野村の集落に入る。ここも結構古い家並みが残り当時の面影を残すが、今日は下水道の
  工事で、狭い道に関係者の車が並び、せっかくの町並みも台無しである。
  
               
            亀山宿              野村一里塚               布気皇館太神社
  工事現場を抜けて静かな町中を行くと右に「野村の一里塚」がある。
  ”三重県下には12の一里塚があったが現存するのはこの一里塚だけである”と解説版にある。
  過ぎるとしばらくで布気に入る。すぐに「布気皇館太神社」がある。長い参道の先にちらっと紅葉の彩りが
  見えたので寄り道をする 。境内に散らばる赤、黄、薄緑のグラデーションに思わず見とれる。
  ようやく紅葉らしき紅葉を見たと思うのはちと?大げさか。それでもなにか得をした気持ちである。
       
      布気皇館太神社の紅葉      旧国道手前の常夜灯        名阪国道高架下の浮世絵版画 
  布気の集落を抜け、旧国道1号とJR関西本線を歩道橋で渡ると太岡寺町である。
  道は名阪国道の下をくぐるが、この辺りは太岡寺畷といわれた所だそうで、高架下には広重の浮世絵から
  県内の七宿場(桑名、四日市、石薬師、庄野、亀山、関、坂下)の拡大版画が埋め込まれている。
        
        関宿入口看板               「関の小萬のもたれ松」と碑 (H19・6・17撮影)
  しばらく鈴鹿川の旧道(堤防道)を行き、関西本線の踏切を渡り、国道を歩道橋で渡る。
  すぐ先の小野橋西の交差点を越えると国道を離れて旧道は右へと入る。大きな「関宿」の看板が立つ
  関宿の入口である。すぐ先、左手には「関の小万のもたれ松」がある。
  
  「関の小萬ともたれ松」
   ”江戸も中頃、九州久留米藩士牧藤左衛門の妻は良人の仇を討とうと志し、旅を続けて関宿山田屋に止宿、
    一女小萬を産んだ後病没した。小萬はは母の遺言により、成長して三年程 亀山城下で武術を修業し、
    天明三年(1783)見事、仇敵軍太夫を討つことができた。この場所は、当時亀山通いの小萬が若者の
    戯れを避けるために、姿をかくしてもたれたと伝えられる松があったところから「小萬のもたれ松」と呼ば
    れるようになった。関の小萬の亀山通い月に雪駄が二十五足 (鈴鹿馬子唄)” 
と案内板にある。 
  
   尚、小萬については・・・その後も山田屋にとどまり養父母に使えたが、享和3年(1803)1月16日36歳で
      病死した。墓は関町木崎町の福蔵寺にある。
          
               東の追分と一里塚跡                      関の町並み
  「関の小萬の碑」と「もたれ松」を見て500mほど行くと、関宿、東の追分(伊勢別街道との分岐)に出る。
  ここから約2キロ弱、木崎、中町、新所と町並みが続く。いまさら説明することもない有名な関宿も、さすがに 
  今日は平日の月曜日とあって人出が少ない。
   (※ ここからの写真は07年6月17日撮影です。)

              
         御馳走場跡           ばったり椅子の旧家        関まちなみ資料館  
            
            旧川北本陣の門と本陣跡                     伊藤本陣跡
  東の追分から旧い家並みが続く道を見所を拾って行く。御馳走場跡、開雲楼・松鶴楼、関まちなみ資料館、
  移築された旧川北本陣の門が建つ延命寺と本陣跡、そして伊藤本陣跡と道は宿の中心部へと入って行く。
  旅籠玉屋歴史資料館、ちょうど中心部になる関郵便局の高札場跡を見ると、入口で見た「関の小万」の墓が
  ある福蔵寺への参道が右にある。
 
      旅籠玉屋資料館             関郵便局高札場跡             福蔵寺山門
  その小万の墓と記念碑は山門を入った右手、大刈込みのサツキの奥にありました。
        
      サツキの奥に見える墓と碑            関の小万の墓            小萬の碑   
 

( ※ 写真は05年11月28日撮影) 

旧道に戻ると地蔵院、ここから道は新所の
町並みに入ります。
普通でもあまり観光客のいない静かな道を
古い家並みを見ながら
ゆっくりと行きます。

前方に鈴鹿の山並みが見え始めます。
   


  西の追分(大和街道の分岐)を見て戻ろうかと思ったが、
  少し先の市之瀬バス停まで行く。

  ここまで来ると鈴鹿峠はもう眼の前である。
  引き返すには惜しく、このまま坂下まで行きたかったが、
  残念ながら時間の都合もあり、楽しみは次に残して引き返す。

  

                
 2006年  1月29日 東海道 関宿から鈴鹿峠
  年が明けて関宿からの続きを歩きました。
  風は冷たいが雲ひとつない青空が広がるなか、西の追分から国道を行く。
  旧道で市之瀬集落を抜けると再び国道1号線に合流する。S字のカーブが続く国道にはポツン、ポツンと
  民家が点在するだけでひたすら歩き続ける。右に鈴鹿川が迫ると左の民家の傍に「一里塚阯」の碑が見える。
  旧道は右に折れ沓掛に入る。街道の面影を残す家並みの集落を、細い道がくねくねと続き少しづつ登って行く
  のが歩いていて分かる。
    
        市之瀬集落の常夜灯                  一里塚阯碑          沓掛の集落   
        
     五十三次の柱             鈴鹿馬子唄会館                 坂下宿
     道がT字路に出る手前に「五十三次」の宿場が書かれた柱が立つ坂道がある。
     左に「鈴鹿馬子唄会館」を見て、柱を数えながら先を行くが途中でわからなくなってしまった。
     すぐに広い道に合流し、さらに山間の中を縫って行くと坂下宿へと入っていく。
  三重県側の最後(最初?)の宿場である坂下宿は山あいにひっそりとたたずんでいる。
  
   しかしこの道の広さはいったい何なんだ?。
  坂下のバス停を過ぎる辺りから、やたら「・・本陣跡」の石柱が建つ。すぐに集落を抜けて国道に出る。              
           
                           脇本陣、本陣跡の石柱         
      
      国道下り線と合流              片山神社                   峠の芭蕉句碑 
  手元の地図は国道(峠からの下り線)の側道を行くが、右に東海自然歩道の案内標識があり、
  道は山の中へ急階段を登る。手引書では500mほど先で合流するからどちらでもいいとある。
  しかしこの階段はきつそうだと側道を選んだ。実際に帰路で歩いたが、かなり厳しい下りが随所にある
  (返せば登りがその分きついが、道は登りの方が歩き易く、下りのほうがより危険!)。
  旧道はその合流地点から片山神社へ出る。ここから八丁二十七曲(また二十七曲だ)の峠越えになるとある。
  神社の右の九十九折れの道を行き、国道の高架下を細い石段で登ると、案内板のある小広場に出る。
  一段上に新しい芭蕉句碑がある。説明版には”芭蕉は鈴鹿峠について「ほっしんの初めに越ゆる鈴鹿山」 の
  句を残している”とあるがこの句も全句集に見当たらない。           
             
         峠の頂上                   鏡岩から見る国道1号線          県境標柱
      ここから再び二十七曲の広い峠道を行くとあっけなく峠に出てしまった。
     雪が残る峠に車が2台。ここから高畑山への登山道が延びているが、峠は登山者の駐車場代わり?か。
     左に少し入った鏡岩を見て、峠の県境を越えると 近江の国に入る。近江側には峠の面影はない。

   鏡岩 =昔峠に住む盗賊が街道を通る旅人の姿をこの岩に映して危害を加えたという伝説から
        俗称「鬼の姿見」ともいう。       
      

   左に広がる茶屋畑を見て近江の国を少し行くと、峠の象徴である
    「万人講の常夜灯」が建つ小広場の休憩所に着く。すぐ下を国道が走り
   滋賀県甲賀市の標識が見える。
   
   久しぶりに三日連続の東海道歩きで、芭蕉句碑を巡った東海道も愛知の
   吉田(豊橋)から三重の鈴鹿峠まで歩いたことになる。東海道の全行程を  
   歩くことはまずないだろう。
                                
  

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